前を歩く人が歩きタバコをしていたので、いやだなあと思って追い抜かしたその拍子におならが一口分出てしまいました。私はイヤフォンで音楽を聴いていましたので、どのくらいのボリュームでおならが響いたのか、或いはおならの振動は私の体の中だけに留まって他人に知れることはなかったのか、知るよしはありません。ただひとつ言えることは、私が浴びたタバコの煙と、彼があびたガスが混ざり合い、私と彼との間には完全に平等な空間が出現したということ。確かに一瞬だけ存在した。