妹さん、体の調子は如何ですか。インフルエンザに罹ったと聞いてから僕の方がなんだかすぐれません。早速言い訳になりますが、手紙を書くと決めてから間があいてしまったのは、ひとえにあなたがパソコンの前に座らなくなってしまったからです。これからはちゃんとかきます。でも突然ドアを開けてかいているところを見ないでね。大人のギャグの後は、手紙の定番、最近思い出したことを書きます。そんな定番はないよ、というギャグです。妹さん。

小学生の頃、ことばの教室というのが学校にありました。特別学級とは少し違うのですが、ちょっと喋るのが苦手な友達が、放課後に先生と遊びながらおしゃべりを学んでいく教室です。僕はそこに行く必要は無かったようなのですが、おもちゃもあるし面白い先生もいるしで、よくそこに通っていました。ある日、友人がことばの教室に通わされることになってしまいました。理由を尋ねると「分からない」を「分かん」といってしまう、でしたので僕は暫く笑い転げ、僕の周りではわかんが流行してしまいましたが、当時は「難しい」を「むずい」とする略し方があったので、今考えれば分からなくもなく、少し気の毒に思います。しかしですよ、ここが最近気付いたことです。返答に困って「分かん」という子供を想像して下さい。そうです、音だけだと和姦も分かんも同じなんですよ! 自分は何も分からないけれども、自分はほんの数年前の和姦によって存在せしめられていることだけは確かだ、というデカルトなんですよ。妹さん。