立ち上がろうとしてよろめき転びそうになってから足にうまく力が入らないのに気が付いた。湯船に浸かっている間は気持ちが良く、足のことも気にならない。一息ついたところで冷静になり、足のことを考えて怖さが滲んで出てきた。もしや筋肉が少しずつ無くなっていく奇病に冒されたのではあるまいか。一日複数回に及ぶ自慰行為によって引き起こされた病気ではないか。花粉症の自覚がないのにくしゃみや鼻水が大量に出る。目は正常なので花粉症ではないという確固たる自信がある。では何か。やはりこれは奇病だという結論にしか至らない。四つ植えたひまわりの種からは三つの芽が出た。一つの種は死んでしまったが三つの芽はすくすく育った。しかし昨日になって急に成長が止まった。本葉の赤ちゃんが見えた矢先のことだった。これ以上何の動きも見せないのかもしれない。これが正に植物状態だということしか頭に浮かばない。大きなマグでコーヒーを二杯飲んだ。胃が重い。やはり奇病ではないかという猜疑の心が脳の中に巣を作って雛がエサを待っている。何の比喩かは分からない。